- 2025年3月10日
骨粗鬆症の症状と原因!骨折しないための予防策とは?
骨粗鬆症は、骨の密度が低下し、骨が脆くなりやすい病気です。特に高齢者や閉経後の女性に多く見られ、骨折のリスクが高まるため、予防に努めることが重要です。本記事では、骨粗鬆症の症状や原因、治し方について解説します。
1. 骨粗鬆症ってどんな症状?
骨粗鬆症とは、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。初期段階ではほとんど症状が現れないため、「静かな病気」として知られています。しかし、骨密度が大幅に低下すると、様々な症状が現れます。最も一般的な症状が骨折です。特に背骨、手首、腰、骨盤、大腿骨などが脆くなりやすく、軽い転倒や日常生活のふとした瞬間でも骨折することがあります。
骨粗鬆症が進行すると
背骨の圧迫骨折を発症してしまうと、背中や腰の痛みが発生します。この痛みは長引く場合が多く、体を動かすたびに悪化することがあります。さらに、骨粗鬆症が進行すると、背骨の圧迫骨折が原因で身長が低くなることがあります。特に高齢者に多く見られ、数センチメートルから場合によっては10センチメートル以上の身長減少が見られることもあります。また、骨粗鬆症による背骨の変形は、姿勢の変化を引き起こすこともあります。典型的な例は、背中が丸くなり「円背」と呼ばれる状態になることです。これは、胸椎や腰椎の骨が潰れて変形することによって発症します。これらの骨の変形や骨折により、運動能力が低下し、日常生活の動作が制限されることもあります。活動量の減少はさらに骨密度の低下を招き、悪循環に陥ることがあります。
さらに、背骨の変形や圧迫骨折により胸郭が変形することで肺の容量が減少し、息切れを感じることがあります。特に深呼吸や運動時に顕著になります。極端な場合、骨粗鬆症による姿勢の変化が内臓に圧力をかけ、消化不良や便秘などの消化器系の問題を引き起こすこともあります。
2. 骨粗鬆症の診断基準とは
診断について
骨粗鬆症の診断は、主に骨密度測定と臨床評価で行われます。最も一般的な方法はDXAスキャンによる骨密度測定で、腰椎と大腿骨の骨密度を測定します。この結果はTスコアという指標に基づき、-2.5以下で骨粗鬆症と診断されます。骨折が既にある場合は、重症骨粗鬆症とされます。
診断後
骨粗鬆症と診断されると、医師は患者の病歴、家族歴、生活習慣(喫煙、飲酒、食事、運動)を細かに確認し、骨粗鬆症のリスク要因を見つけます。血液検査や尿検査も行われ、カルシウムやビタミンDのレベル、甲状腺や副甲状腺の機能、腎臓の健康状態を確認します。さらに、FRAXツールを使用して、この先10年間の骨折リスクを予測し、治療の必要性を判断します。X線検査は背骨の圧迫骨折の有無を確認するために使用されます。
3. 骨がもろくなる原因とは
骨粗鬆症の原因は多岐にわたります。
骨粗鬆症の主要な原因は「年齢」です。
年を重ねるごとに、骨の生成が減少し、骨吸収が増加します。この結果、骨密度が低下し、骨が脆くなりやすくなります。特に女性の場合、閉経後のホルモンバランスの変化が骨密度の急激な減少を引き起こします。エストロゲンの減少が骨の健康に影響を及ぼし、骨折のリスクを高めるのです。
遺伝的な要因
骨粗鬆症は家族に既往歴がある場合、リスクが高まることが知られています。骨の質や骨量は遺伝的に引き継ぐ可能性が大きいため、親や兄弟に骨粗鬆症の患者がいる場合、自分自身も同様のリスクを抱える可能性があります。
栄養不足や運動不足
カルシウムやビタミンDの不足、運動不足も骨密度の低下を招き、その他、喫煙や過度の飲酒も骨の健康に悪影響を及ぼします。ステロイド薬など、特定の薬剤の長期使用もリスクを増加させます。さらに、甲状腺機能亢進症などのホルモン異常も骨密度の低下に繋がります。
4. 薬物療法はどんな効果があるの?
骨粗鬆症の治療の一つ、薬物療法について解説します。薬物療法の中でも、よく用いられているビスホスホネートは、骨の分解を抑制し、骨密度を増加させる効果があります。
選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)は骨密度を維持する力があります。カルシトニンは骨の分解を抑えるホルモンで、鼻スプレーや注射で取り入れることができます。閉経後の女性にはホルモン補充療法(HRT)が用いられ、エストロゲンを補充することで骨密度を維持します。さらに、テリパラチドやアバロパラチドなどの骨形成促進剤は骨の生成を促進してくれます。
薬物療法だけではなく、ウォーキングや筋力トレーニングなどの運動は骨密度を維持し、これ以上悪化させないための治療方法として、転倒防止に役立ちます。薬物療法と並行して取り入れましょう。
5. 予防方法とは?
骨粗鬆症の予防に効果的な方法をお伝えします。
バランスの取れた食事
カルシウムとビタミンDを十分に摂取することが重要です。カルシウムは乳製品、豆腐、小魚などに多く含まれており、ビタミンDは日光を浴びることによって体内で生成されますが、魚や卵黄、きのこ類などからも摂取できます。
適度な運動
適度な運動も骨の健康を維持することに欠かせません。特に、ウォーキングやジョギング、ダンスなどの負荷がかかる運動や筋力トレーニングが効果的です。骨に刺激を与えることで、骨密度を高めるのに役立ちます。
生活習慣の改善
喫煙は骨の血流を悪化させ、骨の再生を妨げるため、禁煙が好ましいとされています。また、過度の飲酒も骨密度を低下させるため、アルコールの摂取は適量を守りましょう。
定期的な健康診断
特に中高年の女性や家族に骨粗鬆症の患者がいる場合、骨密度測定を定期的に行い、早期発見に努めることが重要です。医師と相談し、必要に応じてサプリメントの使用や適切な治療を受けることも予防の一環です。
6. こんな時は相談を
骨粗鬆症は、骨密度の低下と骨質の劣化により、骨が脆くなりやすくなる病気です。症状は初期段階では目立ちにくいですが、進行すると骨折しやすくなります。骨粗鬆症の管理は症状の早期発見、適切な予防対策、効果的な治療法を行うことによって、骨折リスクを減らし、生活の質を維持することが可能です。定期的な健康診断と医師との相談を通じて、個々のリスクに応じた骨粗鬆症の対策を講じましょう。
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