- 2025年3月10日
半月板損傷は自然治癒しない?症状と早く治す方法
半月板損傷は、スポーツをしている人だけでなく、日常生活を送る中でも発生する可能性がある膝の怪我です。半月板は一度損傷すると自然に元の状態に戻ることはほとんど無いため、放置せず治療することが必要になります。重症化すると、歩けないほどの強い痛みが現れることもあり、早期発見と早期治療が大切となります。
本記事では、半月板損傷になる原因や、症状と治し方について解説します。膝に痛みや違和感を感じている方にとって、少しでもお役に立てればと思います。
1. 半月板ってなに?
半月板とは、膝関節の中で太もも側の「大腿骨」とすね側の「脛骨」の間にある軟骨でできたC型の板です。膝関節には、他の関節にある骨と骨を繋ぐ筋肉がないため、代わりに「靭帯」「関節軟骨」、クッション的な役割を果たす「半月板」が連携することで、膝を曲げたり、伸ばしたりすることができるようになっています。
半月板損傷
日常生活で歩いたりしゃがんだりといった何気ない動作をするだけでも、膝関節には体重の何倍もの負荷がかかっており、半月板はそうした負荷を分散する役割を担っています。
その半月板が傷ついたり亀裂が入ったりすることを「半月板損傷」と呼びます。
2. 半月板損傷は自然には治らない
半月板は血液の供給が少なく、修復に必要な栄養素が十分に届かないため、一度損傷すると自然に治ることはほとんどありません。さらに、半月板が損傷して裂けたり形が変わると、それまで半月板で保護されていた関節軟骨が露出し、軟骨の摩耗が進みます。その結果、膝関節の変形や痛みなど、さまざまな症状が現れる可能性があります。
3. 半月板損傷になる原因
半月板損傷は、主に「スポーツによる外傷」と「加齢による変性」が原因です。スポーツによる外傷は、比較的に若い年齢の方に多く、前十字靭帯損傷に合併して起こるケースもあります。また、40歳を超えると半月板に含まれる水分量が減少し、クッションとしての性能が急激に落ちます。半月板にかかる負担はとても大きく、強い衝撃以外にも、長年の負荷の蓄積や加齢によってすり減ることで、日常生活の動作のなかでも半月板が損傷することがあります。
4. 半月板損傷の症状
半月板が損傷すると、歩行時に膝に痛みを感じるようになります。また、膝が腫れたり、関節がずれるような感覚や、噛み合っていないような違和感を覚えることもあります。そのため、膝の痛みや違和感だけでなく、腫れや熱感などの症状がある場合は、専門医に相談することが大切です。
5. なぜ膝が痛むのか?
半月板損傷による膝の痛みの原因は「炎症」や「筋収縮」によるものです。半月板が損傷すると、傷ついた組織を修復しようと体が反応し、「炎症」によって痛みが生じます。また、強い負荷が瞬間的にかかると、周辺の筋肉や靭帯が急激に収縮します。この状態を「筋収縮」と呼び、身体が起こす防御反応として痛みが生じる場合があります。
6. 放置すると起こりうる症状
半月板損傷は、膝関節内にある半月板が何らかの原因で損傷を受けた状態を指します。損傷を放置すると、その間に膝の軟骨に大きな負担がかかり、炎症や痛みが生じることがあります。特に、損傷が慢性化すると、「変形性膝関節症」や「ロッキング」という深刻な状態を引き起こす可能性があります。これらの状態が進行すると、膝に水(関節液)がたまったり、腫れが生じたりします。また、激しい痛みにより、歩行や階段の上り下りなどの日常的な動作が困難になることがあります。
変形性膝関節症
変形性膝関節症は、膝関節の軟骨が徐々にすり減り、関節の機能が低下する疾患です。これにより、膝の痛みや腫れ、可動域の制限などの症状が現れ、日常生活に支障をきたすことがあります。
ロッキング
ロッキングとは、半月板の損傷部分が関節内で挟まり、膝を曲げ伸ばしする際に引っかかりや痛みを感じる状態です。これにより、膝がまるでロックされたかのように動かなくなり、急に歩行が困難になることもあります。
7. 半月板損傷の治し方
半月板損傷の主な治療は「保存療法」と「手術療法」になります。
保存療法
保存療法は、リハビリをメインに行い、膝に水が溜まる場合には、水を抜いて潤滑性と抗炎症作用を期待できるヒアルロン注射を行います。痛みに対しては、薬物を用いた痛み止めを使用することになります。また、抗炎症剤を用いて炎症を鎮めることもあります。
手術療法
ひざが動かなくなるロッキング症状がある場合や、保存療法で効果が得られなかった場合は手術療法が検討されます。手術は、半月板の損傷した部分を切り取る半月板切除術と、損傷した部分を縫い合わせる半月板縫合術の2種類があります。どちらも手術後はリハビリが必須です。
8. 手術しない治療法「再生医療」とは?
最先端の医療で「手術しない」治療法として、「再生医療」が注目されています。これは自身の脂肪から採取・抽出し培養で増やした肝細胞を膝に直接注射するという方法です。幹細胞が傷ついた半月板を修復し、痛みや炎症を抑える効果が期待できます。
頸部に痛みや違和感を感じたら整形外科へ
膝に痛みや違和感を感じて日常生活に支障が生じている場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
「腫れている」「痛みがある」など、気になる症状がある場合は、岐阜市にある「にしぎふ整形外科リハビリクリニック」にご相談ください。当クリニックでは、日本整形外科学会認定の整形外科専門医が、患者さま一人ひとりに寄り添った丁寧な診察と治療を提案いたします。理学療法士によるリハビリテーションと開放感のあるリハビリ設備を完備し、早期回復をサポートいたします。