歩くと足の裏が痛い!足底筋膜炎とは?|にしぎふ整形外科リハビリクリニック|西岐阜の整形外科

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医療コラム

歩くと足の裏が痛い!足底筋膜炎とは?|にしぎふ整形外科リハビリクリニック|西岐阜の整形外科

  • 2025年12月1日

歩くと足の裏が痛い!足底筋膜炎とは?

歩き始めの一歩がズキッと痛む、長く立っていると足の裏が張りつくように辛くなる、朝起きた瞬間にかかとが刺すように痛む。こうした症状に心当たりがある方は、「足底筋膜炎」を疑う状態かもしれません。

足底筋膜炎は、スポーツ選手だけでなく一般の方にも多く起きる足のトラブルで、生活の質に大きな影響を与えることがあります。特に、仕事や家事で長時間立ち続ける方、運動習慣のある方、体重が増えて負担が増えた方などは症状が起きやすく、痛みが慢性化してしまうケースも少なくありません。歩くことは毎日の動作ですので、足裏の痛みは放置すると行動範囲が狭まり、心身のストレスにもつながります。

足底筋膜炎とは?

足底筋膜炎とは、かかとの骨から足指の付け根まで続く強い組織「足底筋膜」に炎症が起きる状態です。足底筋膜はアーチ構造を支える大切な組織で、衝撃を吸収しながら体を支えています。この組織に繰り返し強い負荷がかかったり、柔軟性が低下したりすると小さな損傷が蓄積し、痛みとなって現れます。

初期の段階では歩き始めだけ痛むことも多いですが、悪化すると日常のちょっとした動作でも痛むようになり、階段の昇降やジョギングなどが困難になることがあります。症状が進行するほど回復には時間がかかるため、早めの対処が重要です。

足底筋膜炎が起こる原因

足底筋膜炎の原因は一つではなく、いくつかの要因が重なって発症します。代表的な要因の一つが、足裏に過剰な負担がかかる生活習慣です。長時間の立ち仕事や歩きすぎはもちろん、急に運動量が増えた時にも起こりやすく、特にランニングやジャンプ動作を繰り返すスポーツでは足底筋膜に大きなストレスが加わります。また、合わない靴を履き続けることも足裏の負担を増やす原因です。クッション性の低い靴やサイズが小さい靴は衝撃を吸収できず、足底の組織にダメージが蓄積しやすくなります。

さらに、足のアーチ構造が崩れると足底筋膜にかかる負担が大きくなります。偏平足やハイアーチは衝撃吸収機能が低下し、負荷が一点に集中しやすいため、足底筋膜炎を発症しやすい傾向があります。加齢による筋力の低下や柔軟性の低下もリスクを高める要因です。体重増加も足裏の負担を増やし、炎症を引き起こす一因になります。

足底筋膜炎の代表的な症状

足底筋膜炎の特徴的な症状といえば、朝の一歩目で強い痛みが出る状態です。寝ている間に足底筋膜が収縮し、歩き始めに急に引き伸ばされることで痛みが生じます。しばらく歩くと痛みが軽減することが多く、これが初期の典型的なパターンです。しかし、炎症が進んで慢性化すると、長時間の立位や歩行で痛みが強く出るようになり、夕方にかかとがズキズキするケースもあります。痛みはかかとだけに限らず、足裏全体に広がることもあり、放置すると姿勢の乱れや膝・腰への負担につながる可能性もあります。

症状の出方には個人差があり、運動中だけ痛む方、立ち上がり動作だけ痛む方、常に痛みが続く方などさまざまです。特に、疲労が蓄積した状態が続くと炎症が治りにくく、ちょっとした刺激でも痛みや違和感を感じるようになります。痛みを「そのうち治るはず」と我慢してしまう方もいますが、足底筋膜炎は適切なケアをしなければ長期化するリスクが高く、改善まで数ヶ月かかることもあります。

どのように診断するのか

足底筋膜炎の診断は、症状の特徴と触診を中心に行われます。医療機関では、かかとの内側部分を押して痛みが出るか、足底筋膜に沿って圧痛があるかなどを確認し、日常生活や運動習慣について丁寧に聞き取りながら原因を把握します。特に、足底筋膜の走行に一致して痛む場合は足底筋膜炎が疑われます。必要に応じてレントゲン検査を行い、骨の異常がないかを確認することもあります。

慢性化した足底筋膜炎では、足底に骨棘と呼ばれる突起が見られることがありますが、骨棘そのものが痛みの原因とは限りません。炎症や足底筋膜の負担が積み重なることで痛みが続くケースが多いため、画像だけに頼らず症状の経過を総合的に判断しながら診断していきます。足の状態は個人差が大きいので、整形外科で評価を受けることが症状改善への近道になります。

自宅でできるケアと生活改善

足底筋膜炎の改善には、炎症を抑えながら足底への負担を減らす工夫が必要です。特に有効な方法が足裏やふくらはぎのストレッチです。足底筋膜とアキレス腱はつながりが深く、ふくらはぎの柔軟性が低下すると痛みが増えやすくなります。日々のストレッチで筋膜をゆっくり伸ばすことが、症状緩和につながります。

保冷剤を使った冷却も炎症を落ち着かせるために役立ちます。痛みが強い時は無理して動き続けず、適度に休息をとることが回復の助けになります。身体の変化を感じた時は、無理をせずに早めのケアを続けることが改善のポイントです。

医療機関で行う治療

足底筋膜炎が長引く場合は、整形外科での治療が回復を早める助けになります。代表的な治療法の一つが超音波治療で、患部に微細な振動を与えて血流を促し、組織の回復を支援します。症状に応じて消炎鎮痛剤の使用や、テーピングによる負担軽減を行うこともあります。テーピングは足底筋膜の緊張を和らげ、かかとへの負荷を減らす目的で用いられるため、日常動作での痛みが軽い状態に近づきます。

症状が重い場合や長期間続く場合は、体外衝撃波治療を選択することもあります。この治療は組織の修復を促す目的で行われ、足底筋膜炎に対して有効性が認められています。個々の症状に合わせて治療内容は異なるため、専門医が適切に判断しながら進めていきます。日々のケアと医療機関での治療を組み合わせることで、より早い改善につながりますので、痛みが続く場合は相談することをおすすめします。

再発を防ぐために心がけたいこと

足底筋膜炎は改善しても再発することが珍しくありません。再発予防には、負担を減らしながら足裏の柔軟性や筋力を維持することが大切です。運動後のストレッチを習慣化することで筋膜の緊張を防ぎ、足底への負荷をコントロールしやすくなります。靴のすり減り方をチェックし、クッション性が落ちている場合は早めに買い替えることも予防には欠かせません。普段から足に合った靴を選び、衝撃を吸収しやすい環境を整えることが再発リスクを下げる一歩になります。

体重を適切に管理することも重要です。体重増加は足裏への負担を大きくし、炎症を起こしやすい状況を招きます。日常生活の中で無理のない範囲で身体を動かし、健康的な生活習慣を整えることが足底筋膜炎の予防につながります。また、継続的なケアを心がけ、足裏を守る生活習慣を身につけることが再発防止につながります。