労災保険とは、労働者災害補償保険法(公務員は公務災害補償法)に基づく制度で、業務中や通勤途中に生じた怪我・病気・障害などに対して必要な保険給付を行うものです。正社員・契約社員・派遣社員・アルバイト・パートタイマーといった就業形態に関わらず、すべての労働者が対象になります。労災が適用されるかどうかの判断は、勤務先の会社ではなく労働基準監督署となりますが、本人の不注意によるもの、他者から受けた外傷、会社側に全く落ち度のないものであっても「業務災害」となり、労災が使えます。
また、通勤中の交通事故による怪我や障害(又は死亡)、バイクや自転車での転倒による怪我、営業先に向かう途中での怪我など、一定の要件を満たしていれば「通勤災害」として認定され、補償対象になります。
当院は、労災保険指定医療機関の指定を受けておりますので、必要な書類があれば受診の際に窓口でのお支払いはありません(※自費となる診断書などは別途費用がかかります)。労災保険で治療をご希望の方は、保険証は提示せず、受付にて「労災」であることをお伝えください。労災認定されるかどうかわからないという場合も、お気軽にご相談ください。
業務上の災害
労働基準法では「業務上の災害に対して、使用者が療養補償をはじめとする各種補償をしなければならない」と定めています。労災保険は労働者が強制的に加入している保険制度で、他の社会保険とは異なり、保険料は全額事業主が負担します。
業務と災害に相当程度の因果関係が認められれば労災が適用されます。捻挫や打撲、骨折などの怪我から、ぎっくり腰なども労災を使って治療が可能です。身体的な怪我だけでなく、精神的な疾患も労災の補償対象になっています。
通勤中の災害
通勤の範囲は、主に自宅と職場間の往復、就業場所から他の就業場所への移動がありますが、その移動の間に立ち寄ったコンビニでの買い物、商業・公共施設などでのトイレ利用なども含まれます。また、厚生労働省では、通勤時の日用品の購入、職業訓練や学校教育など業務能力向上のための通学、医療機関への通院、選挙権の行使なども含むとしています。ただし、通常の合理的な経路から大きく逸脱している場合や、本来の通勤や業務と関連性が低い行為による場合は、労災保険が適用されないことがあるのでご注意ください。
労災保険の申請
労災申請は原則として被災された方が行うことになっていますが、ご本人で申請手続きが難しいときは、会社が手助けすることが義務付けられています(助力義務)。会社に被災したことを報告し、会社から申請に必要な書類を受け取ってご来院ください。ご本人で申請する場合は、労働基準監督署にて労災の様式を取り寄せていただき、事業主の押印と労働保険番号を記入したうえでご持参ください。
なお、緊急性が高い症状の場合には、まず受診していただいて一旦は窓口で自費診療の治療費をお支払いいただき、後日書類をご持参いただいてから返金することも可能です。
労災保険の申請書類
下記の様式は厚生労働省のホームページからもダウンロード可能です。
業務災害用
様式第5号:仕事中の怪我などで初めて当院にかかる場合
様式第6号:転居などにより当院に転院する場合
通勤災害用
様式第16号の3:通勤途中の怪我などで初めて当院にかかる場合